Future Care Lab in Japan通信 Vol.9

この連載ではFuture Care Lab in Japan(以下FCL)という研究所について、何を目指し、どんなことをしているのかをご紹介していきます。
第9回目は介護テクノロジー『在宅見守りツール』
“在宅見守りツール”が介護現場で活用できるかどうか、2024年6月よりSOMPOケア渋谷の事業所にて検証を開始しました。
ー製品の特長ー
在宅見守りツールの正式名称は「テレビ電話ami(アミ)」といいます。(詳しくはhttps://www.happybell.jp/)
「テレビ電話ami(アミ)」を使えば、ご利用者さまからナースコールがあった場合、画面を見て状況を確認することができます。
ー現場実証にあたってー
「テレビ電話ami(アミ)」は下記の困りごとに対して効果的ではないかと考え、在宅現場での実証を行いました。
①ご利用者さまが状態の変化をうまく話して伝えることができない場合や、事業所側が音声のみで把握・判断することが難しい場合。
②ご利用者さまが緊急通報装置を押したことに気づかないまま応答もないため、職員が訪問するが、訪問が必要な状態ではなかった場合。
現場実証に先立ちFCLにて実証し、機器が正しく通信できることや操作が難しくないかなどの確認をしました。
その後、実証協力事業所(フラグシップ在宅事業所)である「SOMPOケア渋谷」にご協力いただき、対象となるご利用者さまの選定を行いました。実際にご利用者さまと事業所で使用していただき、機器の操作や、運用についての課題などを確認することができました。
ー現場実証を通じてー
実証に参加いただいたSOMPOケア渋谷からは『ボタンを押すだけで簡単だった。取り組みやすかった』『今までは音声だけだったが、映像の情報が増え、より正確に状況が分かった』と前向きな意見や、『見守りツールで視覚的判断ができることはとても助かるが、それで見誤った場合の職員の心理的負担が大きいと思った』など、さまざまな意見をいただくことができました。ご利用者さまからは、『good』とのコメントをいただき、肯定的に受け入れてくださったようです。
今回の実証では期間中にご利用者さまの状態変化があり、当初の計画より短い期間で実証を終了することとなりました。多くの介護現場で活用の可能性があるか、引き続き実証評価事例を確認する必要がありますので、今後も実証を計画していく予定です。
SOMPOケア渋谷では、職員の皆さんが実証に関心をもって取り組んでいただけているので、スムーズに実証を進められることができました。実証にご協力いただいた、SOMPOケア渋谷の皆さま、本当にありがとうございました 。
次回は『FCLの一日』についてご紹介します。

