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連載
2025.02.07

ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア ~秋田仁井田 居宅介護支援&訪問看護~

本掲載ではご利用者さまの望む暮らしをケアエールを活用しながら実現できた事例についてご紹介しています。

 

第12回となる今回は、事業所間の垣根を越えてご利用者さまを支えている、居宅介護支援事業所と訪問看護での取組みについて紹介します。

「SOMPOケア 秋田仁井田居宅介護支援・訪問看護」の皆さんにお話を伺いました。

 

■心に響く在宅ケアの力~チーム秋田仁井田の挑戦と感動~

あなたなら「歩くことも不安です。希望かぁ...思いつかない。」と両親が下を向いてしまった時、どのような声を掛けられますか?

秋田仁井田居宅を利用されることになったHさま(84歳・女性)は当初そう呟いていました。

 

一人息子が独立してからは、ご主人と二人暮らしを送っていました。ダンス教室や、秋田の手芸品「御殿まり(ごてんまり)」の教室に通うなどアクティブに過ごしていましたが、コロナを機にそれらの活動がなくなってしまいました。家でテレビを観たり新聞を読んで過ごす時間が増え、外出する機会が減る中、ある時から急に足に力が入らなくなってしまいました。日常的に転倒してしまうことも増え、当事業所へご相談いただくこととなりました。

 

初めてお会いしたHさまは歩くことへの不安が強く、自信を失っていたそうです。ご主人に頼りきりになってしまい、自分ではできないと悲観的な面もありました。そんなHさまに希望を持って暮らしてほしいと、Hさまとご主人が今後どうしていきたいかを各サービス事業所のメンバーと顔を合わせて話し合いました。

 

その後、お二人が希望する暮らしを実現するために関係事業所と連携し、ケアエールを活用した情報共有を進めました。ケアエールでは、各専門職がそれぞれの役割に基づいた投稿を行っています。

例えば、デイサービスで始めた個別機能訓練の様子や、住宅改修許可の連絡、さらにはその実施報告もケアエールを通じて行われています。この情報共有により、各職員がHさまの状態やご自宅の状況を理解した上で、適切なサービス提供ができるようになりました。

 

また、筋力低下を抑え、改善に繋げるためには、デイサービスのように設備が整った環境でのリハビリだけでなく、ご自宅での日常生活の中で取り組む生活リハビリも必要だと考えました。そのため、秋田仁井田の訪問看護と連携をとり、ご自宅での暮らしに寄り添った生活リハビリも実施する体制を整えました。

 

結果として、Hさまは徐々に筋力が回復し、3ヶ月が経過する頃には「外を歩きたい」と自ら歩くことを希望されるまでになりました。Hさまと手を繋ぎご自宅の前を歩いたことを、ご主人が嬉しそうに教えてくださいました。

歩くことに不安を抱きながらも、半年が過ぎる頃には「人に頼らず歩きたい」という強い意識が芽生え、出会った当初とは見違えるほどの変化を遂げていました。

 

そして10ヶ月が過ぎる頃には、できることが増えたことでHさまの自信にも繋がり、遂に「夫と一緒に庭の花や木々を手入れしたい」という具体的な希望を持てるようになりました。

 

これは秋田仁井田居宅と秋田仁井田訪問看護だけでなく、デイサービス、訪問介護ステーション、福祉用具、といった5事業所の専門職の皆さんが投稿し合い、Hさまの願いを叶えたエピソードでした。ケアエールを通じてHさまの様子や想いを共有することで、事業所の垣根を越えた一体感のあるチームケアが実現しました。

 

このように、事業所の垣根を越えたチームケアに挑戦し続けている、秋田仁井田の居宅と訪問看護の事業所についてご紹介します。

 

■SOMPOケア 秋田仁井田居宅介護支援・訪問看護って、どんな事業所?

秋田仁井田居宅は地域に根差し、ご利用者さまお一人おひとりの想いに耳を傾け、迅速かつ丁寧な対応を心がけています。ご利用者さまを担当者だけでなくチーム全体で支えることを意識し、事業所内だけでなく他事業所との関わりも大切にしています。

 

2023年6月に開設した訪問看護も、ご利用者さまへの対応に差が生じないよう事業所内できちんと話し合いを重ねています。秋田仁井田居宅と連携しながら、ご利用者さま一人ひとりと誠実に向き合うことで、地域の皆さまの信頼を得ています。どちらもケアエールを利用し他事業所との連携を広げている今注目の事業所です。

 

■ケアエール導入による変化

当初ケアエール導入当初、両事業所では「使いこなせるだろうか」「業務が増えるのではないか」といった不安があったそうです。しかし、ご利用者さまの生活が見えることへの期待や、ICT活用の必要性を感じる中で、職員全員が一丸となり、新たな挑戦に取り組んでくださいました。

インタビューでは「ご家族からの連絡を他事業所に伝言する手間が無くなった」「時間を選ばす、お互いの都合で連絡が取り合えるようになり、遠方のご家族とも連絡がしやすくなった」といった業務効率に繋がると嬉しいお声もいただけました。

 

■今後に向けて

 ケアエールを活用することでご利用者さまの課題にいち早くアプローチでき、満足度の向上に繋がっていると感じています。他社に対しても地道な提案を続けた結果、現在では12の他社事業所がケアエールを活用してくださるようになりました。

一方で、医療機関に関しては「従来通りの方法で困っていない」という理由で導入を断られるケースも多く、この良さをどのように伝え、医療機関も巻き込んでいけるか試行錯誤を続けている段階です。また、私たちの取組みの認知度は地域ではまだ低く、発展途上にあります。

だからこそ、私たちが情報を発信し続け、ケアエールの良さを広めていくことで、少しずつ仲間を増やしていきたいと考えています。

 

今回の取材にあたって本件以外にも多くのエピソードをお聞きすることができました。次号は医師から在宅復帰は難しいと言われてしまったご利用者さまの事例をご紹介する予定ですので、是非ご期待ください!

 

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ウェルビーイング事業部ケアエールチームです。ご家族や関係者と共に取り組むほっこりするチームケアの事例などを発信していきます!