ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア ~門真光の森デイサービス~
当社では、コミュニケーションアプリ「ケアエール」、介護事業者向けWEBシステム「ケアエールPRO」を通じて、ケアが必要な「ご本人」と「関わる全ての方」が絆を深めることで、在宅生活を無理なく続けるチームケアの実現を目指しています。
※ケアエール/ケアエールPRO(以下、ケアエール)についての詳細は文末をご覧ください。
当連載では、ケアエールの活用事例や、起こった変化についてご紹介しています。
第9回目は「SOMPOケア 門真光の森デイサービス(大阪)」の管理者 岩切さん、生活相談員 里井さん、ケアコンダクター長峯さんにお話を伺いました。
SOMPOケア 門真光の森デイサービスって、どんな事業所?
岩切さん:
毎日のように利用してくださっている方が多いことから、ご利用者さま同士の仲がとても良いです。勤続年数の長い職員が多いことも相まって、とてもアットホームな雰囲気だと思います。
※当社デイサービスにおける24年度上半期の平均利用回数は月8.5回ですが、門真光の森デイサービスでは月10.8回と、平均より2回も多くご利用いただいています。
長峯さん:
特にレクリエーションには力を入れており、職員みんなで一緒に企画しています。使用する備品を手作りで準備することも多く、自分自身が楽しんで行っています。
ケアエールPRO導入前後の変化(モニタリング)
里井さん:
ケアエールPRO導入によって様々な変化を感じていますが、中でもケアマネジャーに毎月提出するモニタリング(旧:サービス実施状況報告書)が変わったことによる影響は大きいです。
旧書式は必要な情報を端的に伝えるフォーマットとして優れていましたが、ケアエールPROでは、写真を添えて、日常の様子や具体的な変化・エピソード等を伝えられるようになりました。これによりケアマネジャーは、ご利用者さまの毎月の様子を、総合的に捉えることができるようになったと思います。
質問:
記載する内容が多くなりましたが、負担が増えたと感じることはありますか?
里井さん:
むしろ負担は減ったように感じています。画面上で、1ヵ月の記録や写真を見ながらモニタリングの内容を記入することができるので、作業効率が上がり、より効果的な振り返りに繋がっています。文章を書くことに苦手意識のある方だと、最初は苦労するかもしれないですが、すぐに慣れると思います。
岩切さん:
管理者としては、全員分の文章添削がスムーズになったことで、ケアマネジャーへの報告の質も上がっていると思います。ケアマネジャーからは大変好評で、新規のご利用者さまのご紹介にもつながっています。6~9月の4ヵ月間で、ケアエールを利用してくださっている3名のケアマネジャーから、6件もの新規ご紹介をいただきました。
導入前後の変化(ご利用者さま・ご家族さまとの関わり)
里井さん:
ご利用者さまは、ケアエールに載せる写真を気にされるようになり「今は撮ってくれへんの?」「あの写真は載せてくれへんの?」といった声が挙がるようになりました。
“写真撮影”を通じた日常のコミュニケーションによって、ご利用者さまとの心の距離が近づいたように感じています。
ライター注:カリフォルニア大学アーバイン校のYu Chen氏らの研究グループは、スマートフォンを用いた写真撮影が人々のポジティブな感情にどのように影響するかを調査したそうです。この研究において、笑顔の写真を撮影・共有することで、参加者のストレスが軽減され、社会的なつながりを強化される効果が確認されています。参加者からは、「笑顔の写真を見ることで、その瞬間の幸せを思い出す」「日常生活における小さな幸せにも気づくようになる」といった感想も挙げられていました。
長峯さん:
ご家族さまとの距離感も近づいたように感じています。ご家族さまは「わざわざ電話するほどでもない」と思われていた日々のちょっとした様子の変化や連絡事項も、ケアエールでつながったことで、気軽に書き込んでくださるようになりました。
また、ご家族さまがご本人のことをこれまで以上に気にかけてくださるようになり、心身の状態に対する理解度も上がったと思います。
質問:
逆に、ケアエールでつながったことで、連絡が負担になることはありませんか?
里井さん:
それはないですね。もっと情報が欲しいくらいです。
デイサービスで見える生活範囲は限られているので、ご自宅での様子、特に夜間帯の状況が分かると、デイサービスでのサービス提供の質をさらに向上させることができます。また、ご利用者さまの心身に関わる状態変化にも気づきやすくなると思います。
【事例・エピソード】訪問看護との服薬情報連携
里井さん:
ケアエールの利用を開始し、2ヵ月ほど経過したご利用者さまのルームには、他社の訪問看護事業所が参加されています。当初、注射や水剤の服薬等の医療行為が必要で、注射部位や水剤の作り方の変更などの細かい情報は、都度電話で確認を取っていました。
ケアエールでつながってからは、緊急でない場合はルーム内でコミュニケーションを取るようになり、効率的かつ確実な情報連携ができるようになりました。
【事例・エピソード】ご家族さまと食事ケアでの連携
入院によってADLが著しく低下したBさまは、ご自宅に戻られてからも食事が思うように進まず、ご家族さまからケアエールでご相談をいただきました。
デイサービスでの食事形態や姿勢、食事の様子を、文章・写真・動画で共有することで、ご自宅での食事の状態が改善され、気力アップにも繋がりました。
後日、 「ケアスタッフの皆さんには、豊富な経験を活かし、家族以上に家族のように愛のある接し方をしていただけてるんだろうと思いました。」と感謝のお言葉をいただきました。
【事例・エピソード】ご逝去されたご利用者さまご家族からの感謝のお言葉
遠方にお住いの息子様へ、何度もケアエールのご案内をしていましたが、とてもお忙しそうでご利用頂けていませんでした。
先日、このご利用者さまがお亡くなりになり、遠方で中々会えず最近の様子をご存知なかったため、お知らせしたいと思っていました。
ケアマネさんからの依頼がありデイサービスでの様子をまとめて印刷しお渡ししたところ、写真をご覧になられた長男様のお嫁様がケアエールに入室されました。
「こんな様子が見られるなら、もっと早くに入っておけば良かった。本人の表情から、本当に良くして頂いていたとわかります」とメッセージをいただき、後日、わざわざ光の森までお越しくださいました。
今後、やりたいこと、チャレンジしようと思っていること
岩切さん:
以前から、デイサービスこそACPの考え方が重要だと考えていました。今年度のケアエール本格導入を機に、「夢結いのーと」の作成を始めました。デイサービスは、週に何日もご利用されている方が多く、接している時間も長いので、月1訪問のケアマネジャーよりも早く、作成することが出来ると考えています。
現在、1名が作成完了し、7名が作成中です。まだまだこれからですが、既にケアマネジャーやご家族さまが知らない、ご本人の一面やお考えを知っていただくことにも繋がっていると実感しています。
骨折による長期入院から、在宅復帰されて間もないEさまは、夢は「今の生活を継続すること」と仰っていますが、デイサービスに通ってだんだん元気になってくると、夢も変化していくと思っています。
「夢結いのーと」を作成して関係者に共有し、ケアエールを通じて日々の心身の状態変化を共有・蓄積することで、ご本人に寄り添うチームケアの実践につなげていきたいです。
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ケアエール:https://careyell.com/
ケアが必要な要介護者の体調、日常の様子や気持ちをご自身、ご家族やケアマネジャーなどケアに関わる方々と、写真や動画を添えて無理なく共有することができる無料のモバイルアプリ。
ケアエールPRO:https://careyell.com/pro
記録業務をデジタル化し、ご利用者一人ひとりのリアルな今を写真・動画を添えて共有・蓄積できる介護事業者向けWEBシステム。