ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア ~川崎宮前 訪問看護~
当社では、コミュニケーションアプリ「ケアエール」、介護事業者向けWEBシステム「ケアエールPRO」を通じて、ケアが必要な「ご本人」と「関わる全ての方」が絆を深めることで、在宅生活を無理なく続けるチームケアの実現を目指しています。
※ケアエール/ケアエールPRO(以下、ケアエール)についての詳細は文末をご覧ください。
当連載では、デイサービスにおけるケアエール活用事例を全5回、また前回は「居宅編」をご紹介して参りましたが、今回は「訪看編」になります。
訪問看護事業所においても、ケアエールを活用してご家族や多職種をつなぐ中心的な役割を担い、円滑なチームケアを推進しています。
その具体的な活用事例について、「SOMPOケア 川崎宮前 訪問看護」の小島さんにお話を伺いました。
SOMPOケア 川崎宮前 訪問看護って、どんな事業所?
川崎宮前 訪問看護は、2022年4月に開設した、比較的新しい事業所です。併設の「そんぽの家S 川崎宮前」に入居されているご利用者さまが多いことが特徴の一つになっています。事業所運営においては、思っていることを伝えあえるチームづくりを心掛けており、日頃から「ご利用者さまの想いに寄り添ったケアの実現」について、オープンに議論しています。
ケアエール導入前の課題:訪問看護のサービス内容を伝える難しさ
開設当初は、訪問看護の幅広いサービス内容をケアマネジャーへ伝えることが難しく、
また、サービス利用開始後は、訪問記録を紙で残してはいるものの、ご家族さまから「訪問看護って何をされているんですか?」とお尋ねいただくことがあり、同様にサービス内容を伝える難しさを感じていました。
そのような悩みを抱えていたタイミングで、ケアエールのトライアルの話を聞き、まさに求めているツールだったので積極的に参加しました。
ケアエール導入後の変化(ご家族さま):細やかな連絡によって信頼で結ばれたチームケアへ
現在、ケアエールでルームを作成してご家族さまとの連絡を取っているご利用者さまが全体の約半数になります。
訪問時の情報をケアエールで共有することで、ご家族さまから「こういうことをしてくださっていたんですね」といった反応があり、職員がご家族さまとの繋がりを感じることができています。ケアエールによって、職員はご家族さまの都合を気にせず、その都度起きたことを伝えられるようになり、ご家族さまもわざわざ尋ねることなく、必要なときに確認できるようになりました。
また、ご家族さまが面会に来られた際、最近の様子についてお話することがあるのですが、以前は30分以上お話していたところが、今は二言三言で終わるようになりました。最初は細かくメッセージが届くこともありますが、だんだんとスタンプだけのリアクションが増えていきますし、日常的なコミュニケーションによって信頼関係を築くことで、結果的にそこにかかる時間は減っていくように感じています。
ケアエール導入後の変化(ケアマネジャー):軽度者へ訪問看護を提供する意義・効果
ケアマネジャー視点では、訪問看護は何かしら医療的処置が必要な方が利用されるサービスというイメージが強ため、要介護度の低い方が訪問看護を利用される意義・効果をケアマネジャーへ適切に伝える必要がありました。
具体的には、「最近の様子が気になる」といった際に、訪問看護を傾聴サービスとしてケアプランに位置づけることで看護視点での状態観察や生活におけるアドバイスを行うといった役割を担うことができるのですが、これによる効果を言葉や文字だけで伝えることが難しかったのです。
ケアエールでのやり取りそのものを見てもらうことによって、ケアマネジャーの皆さんに訪問看護がどういう方に有効なサービスであるかをイメージしていただけるようになりました。結果的に、ケアマネジャーからご家族さまへ訪問看護をご提案いただく機会も増え、紹介が増えることにつながっています。
ケアエールの使い方・利用シーン
ケアエールの「嬉しかったこと」「気になること」項目を使用し、訪問時のサービス内容と感じたことをご利用者さまのルームで共有しています。特に機能訓練・リハビリの様子の共有には写真・動画が好評で、Aさまの事例のように、社外の訪問リハビリテーションの方から共有いただくこともあります。ご家族さまやケアマネジャーから「あそこまで歩けるようになったんだね」といった反応が得られるのは、動画ならではだと思います。
また、Bさまにおかれましては、老健から在宅に復帰した際に、体重増加が心配だったため、栄養指導のためにケアエールを活用しました。旦那様ともケアエールで繋がり、毎回食事の写真を共有してもらうことで、効果的なサポートが可能になりました。
エピソード① 密な連携によってチームケアを実感
退院と同時にサービス付き高齢者住宅に入居されたCさまの事例では、娘さまが積極的に参加してくださったこともあり、水分管理や食事制限の調整を密に行い、ご本人さまの希望に沿った普通食への移行ができました。
Cさま以外のご家族さまとも、電話するほどでもない些細な情報も共有し、スムーズな連携を取ることができています。例えば、デイサービスの見学日をカレンダーに追加したり、ペットボトルのキャップに日付を書くように依頼したり、耳掃除の際に耳の閉塞を発見し、耳鼻科受診を促したりしています。
エピソード② ご本人がルームに参加し、繋がりを実感
ご自身でルームに参加されているDさまの事例です。
訪問看護での相談内容をケアエールに残し、Dさまからはスタンプや時折コメントも送られてきており、担当ケアマネジャーもルームに参加しているため、ご本人目線での繋がりの実感、安心感につながっていると思います。
今後に向けて
今後の課題は、ケアエールの有効性をより多くの方々へ広げていくことです。在宅での一人暮らしの継続が難しく、サービス付き高齢者住宅に移行するケースが増えていますが、その際にご利用者さまの過去の生活歴が不明なことが多くあります。
現在でもノートでバイタル等の健康管理をされているご利用者さまがいらっしゃいますが、将来的にはセルフケアに関心を持つ世代が増えていくことから、ケアエールとデバイスをセットで普及させていくことを目指したいと思っています。
これにより、暮らす場所や利用するサービスが変わっても、情報を引き継いで暮らしを支えていくことができます。そのためにも、在宅やサービス付き高齢者住宅に限らず、地域全体でケアエールを活用していけるよう、全社で取り組みを続けていきたいです。
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ケアエール:https://careyell.com/
ケアが必要な要介護者の体調、日常の様子や気持ちをご自身、ご家族やケアマネジャーなどケアに関わる方々と、写真や動画を添えて無理なく共有することができる無料のモバイルアプリ。
ケアエールPRO:https://careyell.com/pro
記録業務をデジタル化し、ご利用者一人ひとりのリアルな今を写真・動画を添えて共有・蓄積できる介護事業者向けWEBシステム。