『Future Care Lab in Japan』 音声で嚥下機能を評価する技術を共同研究開発 ~ 誰でもスマホやタブレットで誤嚥リスクを可視化できる時代へ ~
2021年秋、音声分析などを手掛けるスタートアップ企業のPST社と組んで開発した「音声で高齢者の嚥下(えんげ)機能の状態を調べられる技術」の特許を出願しました。
音声の解析にはスマートフォンやタブレットを使います。アプリを起動させたスマホやタブレットに向かって単語を10フレーズほど発声して数分待つと、嚥下機能の状態を3段階で評価した結果を画面上で確認することができます。
タブレットに向かって単語を10フレーズほど発声
フレーズ発声後、嚥下状態を3段階評価で判定
研究開発の経緯
2020年7月からPST社と共同研究を開始し、精度の高い評価技術の開発を目指して、データの蓄積や判定方法(アルゴリズム)の検証を実施してきました。
そして、検証した評価技術をもとに、嚥下スクリーニングの初期モデルアプリを製作し、2021年10月から10か所のホームで試験運用を行っています。現在、試験運用での操作性や精度を踏まえてアプリの改良に取り組んでおり、2022年秋をめどに、順次介護現場に導入できるよう準備を進めています。
発案者の一人である言語聴覚士の岩原真秀さん(埼玉千葉推進部チームリーダー)は、
「日常的に嚥下機能をチェックし日々の推移が確認できるようになるため、嚥下機能の低下を見逃さず専門的な検査へと進むことが可能になります。さらに、常に嚥下機能のレベルを把握しておくことで、最適な食形態を提案することができるため、ご利用者さまにとって、食事のQOL向上にもつながります。」と話します。
今回のアプリ開発にあたり、およそ20か所のホーム、130名のご利用者さまにスクリーニング調査を実施。
ご協力いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
発案者メンバーと遠藤社長(中央)の記念撮影
(左から認知症プロジェクト推進部河畑理事特命部長、神奈川静岡推進部谷内チームリーダー、
埼玉千葉推進部岩原チームリーダー、東京推進部増田さん)