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連載
2024.07.05

ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア~堀ノ内デイサービス~

当社では、コミュニケーションアプリ「ケアエール」、介護事業者向けWEBシステム「ケアエールPRO」を通じて、ケアが必要な「ご本人」と「関わる全ての方」が絆を深めることで、在宅生活を無理なく続けるチームケアの実現を目指しています。

 

中でもデイサービスでは、ケアエールPROによってケアの記録をデジタル化し、連絡ノートとシームレスに連携させることで、ご家族や多職種との円滑なチームケアと業務の効率化を同時に実現することにチャレンジしています。

※ケアエール/ケアエールPRO(以下、ケアエール)についての詳細は文末をご覧ください。

 

この連載では、ケアエールの活用事例や、起こった変化についてご紹介しています。

第5回目は「SOMPOケア堀ノ内デイサービス(東京)」の管理者 丹治さんにお話を伺いました。

 

SOMPOケア 堀ノ内デイサービスって、どんな事業所?

丹治さん:

堀ノ内デイサービスは「認知症対応型通所介護」です。住み慣れた地域で、ご自宅での暮らしを継続していけるようにサポートをさせていただく、地域密着型サービスの一つです。

 

認知症の診断を受けられている方を対象とした「認知症対応型通所介護」では、1日あたりの定員が12名以下と定められており、ご利用者さまお一人おひとりに対して、心身ともにきめ細かな支援ができるよう手厚い体制を整えています。

 

堀ノ内デイサービスのご利用者さまは、アクティブに動ける方から、歩行や排泄、お食事介助など何らかの支援が必要な方まで幅広いことが特徴です。気持ちに不安を抱えている方、ご自身の想いや考えを言葉にしてうまく発する事が難しい方、常に活動的に動かれている方、感情の抑制がうまくいかない方など、さまざまな認知症の症状を抱えていらっしゃいます。スタッフはご利用者さまお一人おひとりと向き合い、どのように支援していけばその方が不安なく、安心して、楽しくデイサービスで過ごしていただけるのかという事を常に考え、カンファレンスなどを通して情報共有を行い、課題に対する支援方法を統一するように努めています。また、スタッフだけでなく、ご利用者さま同士でお互いに声をかけ助け合いながら交流をされているのも、堀ノ内デイの良いところです。

 

もう1つ大切にしているのが、日常生活動作をなるべく長く続けていただくためのご支援です。ご利用者さまには、スタッフがサポートをしつつ、デイサービスで何かしら「役割」を担っていただくようにしています。例えば、洗濯物をたたんで配っていただく、皆で楽しむためのお茶の準備をしていただく、お昼ごはんを各自のお皿に盛り付けていただくなどです。お茶の時間にいただくケーキをスタッフと一緒に作ることもあります。豆を挽くところからこだわって淹れている美味しいコーヒーと一緒に、ケーキをいただきながら会話をするという、とてもゆったりとした穏やかな日常を過ごすことができています。

 

「ご利用者さまができること」をデイサービスが発見し、お伝えできる!

丹治さん:

ご利用者さまによっては認知症によるエピソード記憶の障がい(体験したことを忘れてしまう)などもあり、デイサービスで日頃どのように過ごされているのか、今日はどんな活動をしてきたかなど、ご利用者さまからご家族さまに具体的にお伝えするのが難しい事もあります。そのため、今まではデイサービスからの記録用紙(写真なし)を読んでいただくことで、どのような活動をしてきたかを確認いただいていましたが、文章だけではご家族さまに、実際にデイサービスでどんな活動をされていたのか、どんなご様子だったのかが伝わり切れていなかったと思います。

 

ケアエールPROの導入により、デイサービスで現在どのように過ごしているのかを、写真も使いリアルタイムでお伝えできるようになり、日頃のデイサービスでの取り組み、活動を通したご利用者さまの表情を、ご家族さまにも知っていただけるようになりました。

 

現在、ご利用者さま26人中20人のご家族さまにケアエールアプリをご利用いただいています。

 

スタッフは慣れない操作に苦戦しながらも、ご利用者さまお一人おひとりの様子をお伝えできるような写真を撮影し、コメントを添えてケアエールPROでご家族さまへ共有しています。またケアエールアプリをご利用になれないご家族さまには、当日のケア記録を印刷してお渡ししています。ご家族さまからは「いつもたくさんの写真をありがとうね」「撮影してアップして・・・という作業は大変だと思いますが、母の様子が分かるので感謝しています」などのお言葉をいただくことが多いです。特に写真に喜んでいただいているようです。

印刷したケア記録のイメージ(サンプル)

 

堀ノ内デイサービスのご利用者さまは、ご家族と同居されている方がほとんどで、ご自宅では「危ないから」とすべての家事をご家族が担われているケースが多いようです。しかし、デイサービスで生き生きと料理や配膳、洗濯をされているご利用者さまの写真をケアエールアプリでご覧になると、「家ではあまり家事などをする事もなくなった母ですが、デイサービスではこんなにできるのですね!」と驚かれます。

ご家族さまだけでなく、ケアマネジャーからも「ご自宅訪問時は眠っておられる姿しか見たことがないので、ご利用者さまがデイサービスで活動されている様子を見てみたい」と言われ、ケアエールアプリを入れてもらったことがあります。

 

デイサービスで私たちが日々発見している「ご利用者さまができること」を、ケアエールPROを通してご家族さまや周囲の支援者にお伝えすることで、「できることはまだまだあるのではないか」と気づいていただくきっかけになることも私たちの大切な役割だと感じます。

 

ご家族さまとの情報連携が、ご利用者さまのケアの助けに

丹治さん:

ケアエールの導入により、日々のご家族さまとの情報共有がより密に、気軽にできるようになりました。今までは、何か用事があった際に、その都度お電話やサービス記録用紙にコメントを記入しており、やりとりに時間がかかっていましたが、今ではタイムリーに時間をかけずにやり取りができています。

 

返信のコメントやスタンプで、その都度ご家族さまの反応が伺えるので、情報伝達におけるスタッフのモチベーションも向上しています。また、ケアマネジャーからも「ご利用者さま、ご家族さまとデイサービスのやりとりが見られるので情報収集がしやすいです」と言っていただきました。

 

さらに、ケアエールにご登録いただいたご家族さまが、ご家族内や親族の方へ登録を広げてくださり、今まで直接私たちが関わる事のなかったご家族さまとも繋がることができ、支援の輪が広がっていっていると実感しています。

 

ご家族さまの中には、デイサービス利用前日や当日朝の様子、排せつや睡眠の状況、昨日やっておられたことなど、ご利用者さまについてのちょっとした情報をケアエールでお伝えくださるようになった方もいらっしゃいます。例えば、睡眠不足は当日の覚醒状態やご気分に影響しますし、排せつ状況によって、トイレへの誘導タイミングや水分摂取量などを調整しています。日常の些細に思える出来事が認知症の周辺症状に影響してくることもありますので、こういった情報をいただけるのは大変ありがたく、日々のケアに役立っています。

 

【実践エピソード】ケアエールPROの嬉しい活用例

丹治さん:

ケアエールPROで作成した記録をプリントアウトしたものを、毎日じっくりお読みになっているご利用者さまがいらっしゃいます。

 

「良いことも悪いこともしっかり書かれているので、これを読んでその日の出来事を振り返るようにしています。読んでいて、自分で気をつけなければいけないなと思うこともあります。」

 

こういったご利用者さまのお声を聞き、ご家族さまだけでなく、ご利用者さまご本人への貴重な情報提供の機会にもなっているのだと感じています。やりがいを感じるとともに、改めて、しっかり記録しなければと気が引き締まる思いです。

 

もう1つ嬉しかったことがありました。

ご利用者さまがデイサービスで制作し持ち帰られた季節ごとの折り紙作品を、ご家族さまが通われている教会に飾ってくださり、その様子をケアエールでお知らせくださることです。

ご利用者さまの作品を楽しみにしてくださっていることが伝わってきて、また素敵な作品を作っていただこうとスタッフ一同やる気が高まっています。

ケアエールPRO導入による変化 

丹治さん:

ご紹介したように、ご家族さま、ケアマネジャーとの情報共有について、伝えられる情報量やタイミングが大きく変わりました。

 

これに伴い、堀ノ内デイの事業所ニュース「かわら版」をケアエールPROに置き換えることにしました。

 

これまで堀ノ内デイサービスでは、デイサービスでのご利用者さまの様子がご家族さまや支援者に伝わらない・・・という悩みを少しでも解消すべく、日々の記録用紙以外にも写真入りの事業所ニュース「かわら版」を作成し、ご家族さまやケアマネジャーに配布してきました。このかわら版には、肖像権のご同意をいただいているご利用者さま全員の写真を載せることをモットーにしていましたが、全員の写真を集めて加工するのはなかなか大変で、制作にかなり時間がかかるため、月1回の発行がやっとでした。

 

しかし、ケアエールPRO導入後は、ご家族さまや関係者へケアエールアプリを通して都度様子をお伝えできるようになりましたので、5月から「かわら版」の制作はストップすることにしました。「かわら版」が無くなることを寂しく思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ケアエールPROでは「かわら版」よりも多くのご利用者さまの様子を日々お伝えできていると思います。

情報共有の変化

 

なお、ケアエールアプリを登録いただいているケアマネジャーからも「今日は何をやっているのかと、楽しみながら見られています」と好評です。「当初デイサービスの利用に前向きでなかったご利用者さまの様子が気になっていましたが、ご利用時の写真をコメント付きで随時アップしてくださったので、様子がよくわかり安心しました」といったコメントもいただきました。

 

今後に向けて

丹治さん:

せっかくケアエールPROという便利な機能が導入されましたので、ご家族さま、ケアマネジャー、訪問介護、看護など、関係者と協力してご利用者さまを支える「輪」を作って、一体となってご支援できたらいいなと思います。

 

ご家族さまへのケアエールアプリ導入は進んだのですが、ケアマネジャーは他社3名、自社1名にとどまり、訪問看護は未だケアエールアプリが導入されていません。特に他社の場合、それぞれの会社のルールやデバイスの配備状況など導入の障害も多く、一朝一夕に導入は進みませんが、地道に働きかけを継続し、仲間を増やしていきたいと思っています。

 

 

 

バックナンバーはこちらからどうぞ ⇓

ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア~盛岡本町デイサービス~ | SOMPOケア WATCH!|介護現場の真実を伝える社内報 (sompocarewatch.com)

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ケアエールhttps://careyell.com/
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ケアエールPROhttps://careyell.com/pro
記録業務をデジタル化し、ご利用者一人ひとりのリアルな今を写真・動画を添えて共有・蓄積できる介護事業者向けWEBシステム。

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ウェルビーイング事業部ケアエールチームです。ご家族や関係者と共に取り組むほっこりするチームケアの事例などを発信していきます!