Future Care Lab in Japan通信 Vol.3
この連載ではFuture Care Lab in Japan(以下FCL)という研究所について、何を目指し、どんなことをしているのかをご紹介していきます。
第3回目は介護テクノロジー『泡シャワー』
泡シャワー“KINUAMI Care”が介護現場で活用できるかどうか、2024年1月からラヴィーレ洋光台にて検証を実施しました。
ー製品の特長ー
泡シャワーの正式名称は「KINUAMI Care」といいます。(詳しくはhttps://awa-shower.com/)
消防車に使われる特殊な泡生成技術を応用し、少量のソープとお湯、そしてたくさんの空気を混合することにより、大量のきめ細かい泡を生成する装置です。
介護職員によるボディソープの泡立てと洗身作業が不要になり、シャワーから出る泡でご利用者さまを包み込んで洗い流すだけの入浴介助が実現できます。
ー現場実証にあたってー
「KINUAMI Care」は下記の入浴介助の際の困りごとに対して効果的ではないかと考え、現場での実証を行いました。
- 洗身時の摩擦により、皮膚トラブルが起きているご利用者さまがいる
- 洗身介助時の中腰やかがみこみ動作で腰痛を訴える介護職員がいる
- 冬場は浴室が冷えるため、シャワーを出し続けながら洗身をしている
現場実証に先立ち、まず、メーカーから提供を受けた試験結果資料を確認したのちに、FCLにある浴室の模擬環境で実際に使用しました。汚れ落ちに問題がないか、操作が難しくないか、安全に使用することができるか確認をしました。その後、実証協力施設(フラグシップ施設)である「ラヴィーレ洋光台」にて、洗身が自立・一部介助のご利用者さまと入浴介助をする介護職員に使用いただき、実際の導入に向けての課題や運用を確認することができました。
ー実証を終えてー
実証に参加したラヴィーレ洋光台では、『きめ細かい泡が身体を包んでくれるので、気持ちが良いと好評でした。使用されたご利用者さま、介護職員からも1台だけでなく、もっと増やしてほしいと早くも要望頂いています。』『泡シャワーを使うことで、泡立て・擦り洗いをする動作をしなくて済むため、洗身時の介助負担がグッと軽減されました。泡を流した後の肌もぬめりが残らず、すべすべしているのでびっくりしました。』と泡シャワー実装への高い期待が寄せられました。
また、ご利用者さまからも『便利なものがあってラクでいいわねー』と概ね好評でした。
ラヴィーレ洋光台では、入浴に関わる介護職員だけではなく、施設全体で実証に関心をもって取り組んでいただけたので実証をスムーズに進めることができました。
実証にご協力いただいた、ラヴィーレ洋光台の皆さま、本当にありがとうございました。
次回は「『2030年から問う介護』未来の模型を展示」についてご紹介します。