そんぽの家 浜松高丘オレンジカフェ「認知症マトリョミン演奏サロン」開催!
そんぽの家 浜松高丘では、毎月1回オレンジカフェ(認知症カフェ)を開催しています。
2024年3月27日、いつもとはちょっと違うプログラムでオレンジカフェが開催されるとの情報をいただき、取材してきました!
この日に開催されたのは「認知症マトリョミン演奏サロン」
ほとんどの皆さんは、「マトリョミンって何??」ですよね。まずはそこからご説明します!
マトリョミンとは楽器の一種
マトリョミンについて説明するなら、まずはテルミンについて説明するところから。
テルミンとは、ロシアの学者レフ・テルミン博士によって1920年に開発された世界最古の電子楽器です。楽器に直接触れずに演奏するのが大きな特徴で、アンテナに手を近づけたり遠ざけたりすることで音の高さ、大きさをそれぞれ制御します。
・・・と書くだけでも演奏するのが難しそうな楽器ですね💦
※テルミンについて詳しくは、こちらをご覧ください!
https://www.mandarinelectron.com/theremin/
そして、このテルミンの機能を、ロシアの伝統的な民芸品であるマトリョーシカ人形の中に収めたのがマトリョミンです!
マトリョーシカは、見たことがある方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか? 人形が上下で半分に分かれ、中には一回り小さい人形が入っていて、その中には更に小さい人形が入っていて・・・という入れ子構造になっているのが特徴です。
マトリョミンの内部には、音を出すための電子部品が収められていて、見た目は可愛いマトリョーシカなのに音が出るという、ちょっぴり不思議な楽器です。
こんな風に、通常は空洞なマトリョーシカの内部に
電子部品が収められています
このマトリョミンを開発されたのは、日本におけるテルミン演奏の第一人者で浜松市在住の竹内正実さん。この日開催された、認知症マトリョミン演奏サロンの主催者です!
竹内正実さん(右)と、奥さまの晶生さん(左)
竹内さんはもともと右利きで、右手をメインにテルミン/マトリョミンの演奏活動をされていたところ、2016年に脳出血を発症。後遺症で右半身に麻痺が残っているのですが、使う手を右手から左手に代えた「左利き」テルミン/マトリョミン奏者として、2022年に再起を果たされました。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の「大河紀行」の音楽にテルミン演奏で参加されるなど、現在も演奏家として第一線で活躍されています。
「左利き」の演奏家として再起するためにリハビリや左手での演奏に取組む中、テルミン/マトリョミンの演奏が脳の活性化につながると実感されたそうです。そこから脳卒中後遺症のリハビリや認知症の予防に有効なのではないかとの考えにいたり、演奏活動を行いながら認知症マトリョミン演奏サロンの活動に、積極的に取り組んでいらっしゃいます。
マトリョミンの演奏が認知症の予防に効果的かどうかを実証するために、浜松市内にある病院と実証実験も行っているとのこと!
実は筆者もマトリョミン演奏を体験したことがあるのですが・・・ピアノのように鍵盤を押せば望む高さの音が出る楽器と違い、望む音を出すのが大変!「ド」を出したいのに、「レ」になったり「シ」になったり・・・💦 音程を保つために物凄く集中するので、確かに脳が活性化される感覚を持ちました!
オレンジカフェの参加者がマトリョミン演奏を体験!
この日の認知症マトリョミン演奏サロンでは、竹内さんによるマトリョミンの説明や演奏の後、オレンジカフェの参加者の中から希望された方がマトリョミン演奏を体験しました。
竹内さん、晶生さんのサポートを受けながら、マトリョミン演奏にチャレンジ。皆さん真剣です!
とても印象的だったのは、演奏中は真剣な顔つきだった皆さんが、演奏が終わった瞬間に満面の笑顔になること!
演奏中は真剣・・・
演奏が終わるとステキな笑顔に!
皆さん、「難しい」とおっしゃりながらも演奏を楽しまれたご様子。
竹内さんは「初めてマトリョミンを演奏されたとは思えないくらい、皆さんお上手でした。いつか、皆さんとマトリョミンの合奏ができたらいいですね」とコメントされていました☺
マトリョミンという、初めて見る、しかも演奏するのがちょっと難しい楽器にチャレンジする。参加された皆さんにとって、ワクワクする刺激的な体験になったのではないかと思います!
竹内さんは、この認知症マトリョミン演奏サロンを、浜松市内だけでなく様々な場所で開催していらっしゃいます。
取組みに関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、広報部 植松までご連絡ください。
そして、何とこの日の認知症マトリョミン演奏サロンの様子が、毎日新聞に掲載されました!
記事はこちらからご覧いただけます。
https://mainichi.jp/articles/20240327/k00/00m/100/312000c
そんぽの家 浜松高丘のオレンジカフェは「ご入居者さまと地域のために」の想いからスタート
そんぽの家 浜松高丘のオレンジカフェがスタートしたのは、およそ1年前。責任者としてオレンジカフェを担当されているのは、鈴木さんです。初めてお会いするのに、お顔に見覚えが・・?と思ったら、以前、アロマオイルを使用したケアで「SOMPOケア WATCH!」に登場して下さった方でした!
その時の記事はこちら☺
鈴木さんとホーム長の飯田さんに、オレンジカフェへの想いを聞きました!
--そんぽの家 浜松高丘でオレンジカフェを開催することになったきっかけを教えてください
【鈴木さん】コロナ禍の影響で、閉塞感のある空気がホームにあると感じていました。「活気を取り戻すため、ホームを盛り上げたい!」と考えたことがきっかけです。加えて、地域の中にあるそんぽの家 浜松高丘という存在を考えた時に「高齢者施設だからこそ役に立てることがあるのでは? 安心安全の場を作り、少しでも地域の方の役に立てるホームになりたい!」という想いもあり、オレンジカフェを開催することにしました。
--どのような方がオレンジカフェに参加されているのでしょうか?
【飯田さん】そんぽの家 浜松高丘のご入居者さまに加え、地域の方が参加されています。毎月開催し続ける中で、毎回来てくださる地域の方もいらっしゃいます。「自宅では一人でいることが多いけれど、オレンジカフェに来ると人と話して笑い合えるのが楽しい」とおっしゃってくださり、とても嬉しく思っています。
--通常のオレンジカフェは、どのようなプログラムで開催していますか?
【鈴木さん】「浜松市健康増進課のいきいきトレーナーさんによる健康体操 + 外部の方による講話 + 職員による特技披露や催し」が定番プログラムです。浜松高丘には様々な特技を持った職員さんがいるんです!落研出身で「南京玉すだれ」をできる人や、楽器演奏ができる人も! 毎回職員が持ち回りで催しを考えて実施しています。
いきいきトレーナーさんによる健康体操。30分位時間をかけてじっくり体を動かします(写真上)。
職員さんによる催しは、津村さんによるトランプでした!(写真下)
--オレンジカフェを開催して、どのような効果が出ていますか?
【飯田さん】何と言っても、地域の方々にとって安心安全の場を作ることができたのが大きいですね。そして、地域の方とご入居者さまが交流する場になっているのも、良かったと思っています。
今後は、地域連携を更に進めていくために、地域の保育園や小学校の子どもたちとの交流、地域ボランティア団体との連携なども、進めていきたいと考えています。
オレンジカフェの魅力をもっと高めて、参加者を増やしていきたいですね。
鈴木さん、飯田さん、どうもありがとうございました! ご入居者さまや地域の方々の笑顔につながるオレンジカフェ、ぜひこれからも続けてください!
さいごになりますが、、そんぽの家 浜松高丘を訪問したら、とっても素敵なウェルカムボードをご用意くださっていました。
とっても嬉しかったです。ありがとうございました💖