ケアエール de 実践! 在宅生活のチームケア ~秋田仁井田 居宅&訪問看護(番外編)~

本掲載ではご利用者さまの望む暮らしをケアエールを活用しながら実現できた事例についてご紹介しています。
前回は「SOMPOケア 秋田仁井田居宅介護支援・訪問看護」の皆さまの活躍をご紹介しましたが、実は他にも素敵なエピソードがあります。
今回は、医師から在宅は難しいと言われながらも諦めなかった、2つの心温まるエピソードをご紹介します。是非ご覧ください。
■夫婦の挑戦、医師に「在宅復帰は難しい」と言われても~ケアエールが支えた在宅復帰~
【突然の入院と医師からの通告…】
80歳のEさまは、ご自宅で奥さまと二人で穏やかな日々を過ごしていました。
しかし、ある日、外出先で転倒し入院を余儀なくされます。
入院当初は、あらゆる動作に介助が必要でしたが、懸命なリハビリの結果、回復し自宅への復帰が叶いました。
ところが、退院後に二度目の転倒で再入院。さらに、入院中の体調不良も重なり、ADLは著しく低下し、要介護5と認定されてしまいました。
度重なる入院を経て、ようやく退院が決まったEさま。
しかし、医師からは「在宅復帰は難しい」と告げられ、退院先はショートステイとなりました。
「もう自宅には戻れないのか…」
【在宅復帰への挑戦】
Eさまは、愛する家族と暮らした自宅を諦めきれませんでした。
その願いを叶えたい一心で、担当ケアマネジャーの加藤さんは、ショートステイ中の外泊を利用してEさまのご自宅での様子を確認しました。すると、回復の兆しが見え、福祉用具を活用すれば奥さまの介助でも生活が可能だと判断。自宅環境を整え、在宅での支援を続けることを決意します。
しかし、在宅復帰にはリスクも伴います。加藤さんは関係事業所間での円滑な情報共有を図るため、ケアエールの活用を提案しました。
そして迎えた自宅復帰の日。家に戻られたEさまは、笑顔でこう語りました。
「家に帰って来られて良かった。安心した。」
その言葉を聞いた加藤さんは、自分の判断が間違っていなかったことを確信しました。
ケアエールには、福祉用具相談員、看護師、理学療法士、そして加藤さんが参加し、Eさまがご自宅に戻った後も、訪問時の様子を随時共有しながら支援を続けました。
事前の環境整備が功を奏し、Eさまはご自宅で基本的な生活動作を行えるようになりました。しかし、入浴だけは難しく、シャワーで身体を洗いながら安全に入浴するための試行錯誤が続きました。
そして1か月後、Eさまはついに、入浴ができるようになりました。
約5ヶ月ぶりの入浴に、Eさまは感極まって涙ぐんでいました。
当初は訪問時のみの入浴介助でしたが、奥さまも「夫を温かいお風呂に入れてあげたい」という想いで練習を重ね、今では訪問がない日でも、奥さまの介助でご入浴ができるようになりました。
Eさまは、「これからは妻と一緒に花見やドライブを楽しみたい」と笑顔で語っています。まだ簡単ではありませんが、お二人なら互いに支え合いながら、きっとさまざまな困難を乗り越えていけるでしょう。
医師から「在宅復帰は難しい」と告げられても、諦めずに希望を持ち続けたEさまご夫婦。
多職種連携の実践と家族の支えによって困難を乗り越えたその挑戦は、ケアエールの可能性を改めて考えさせられる貴重なエピソードでした。
■続く一人暮らし、それぞれの支え~ケアエールで和らげる心の負担~
【珍寿を過ぎての一人暮らし】
95歳のTさまは、ご主人を亡くされてから一人暮らしを続けています。大好きなお孫さんや曾孫さんの写真が送られてくる携帯を、いつも大事そうに抱えています。
そんなTさまですが、認知症が進行し、医師からは「在宅はもう限界では...」と心配されるほどに。それでも、さまざまなサポートを受けながら、ご自宅での日々を過ごしていました。
ケアマネジャーの浅野さんが担当となった当初、Tさまは週4回のデイサービスに通い、おしゃれをして外出するのを楽しみにしていました。膝関節の痛みや腰痛はあったものの、認知症の症状は軽く、デイサービスでのリハビリや入浴を楽しんでいたそうです。
しかし、新型コロナウイルス感染をきっかけに、Tさまの認知症は進行。娘さまは、かかりつけ医に相談しました。
「在宅での一人暮らしは、もうそろそろ難しいかもしれませんね...」
【ケアエール導入後の変化】
医師から在宅での一人暮らしは難しいと言われましたが、娘さまは、Tさまの「住み慣れた家で暮らしたい」という意思を尊重し、在宅生活の継続を決意。新たに訪問看護の利用を開始し、関係者同士での情報共有ができるよう、浅野さんからの提案でケアエールを導入しました。
ケアエールの導入は、Tさまとご家族の生活にさまざまな良い変化をもたらしました。
例えば、Tさまが誤って携帯を通話できないように設定してしまい、娘さまと連絡が取れなくなったことがありました。以前は、娘さまが不安な気持ちでTさまの元へ駆けつけていましたが、ケアエールを活用することで、訪問看護やケアマネ訪問時の状況が分かるようになりました。必要に応じて対応してもらうこともでき、娘さまの心配も軽減されました。
また、Tさまは恥ずかしがり屋な性格もあり、湿疹でかゆみがあっても、なかなか自分から言い出せませんでした。しかし、ケアエールで娘さまが「体の引っ掻き傷が多かったです。」と発信したことで、看護師が気にかけるようになり、適切なケアへとつながりました。
ケアエールは、娘さまにとって大きな支えになっています。
「離れて暮らす母のことが心配。本当はそばで見守れたら良いのだけど...」
「母のために私が頑張らないと...」
以前はそう思い、一人で抱えこんでいました。しかし、ケアエールを使うことで周りとのつながりを感じるようになり「一人ではない」と思えるように。心の負担も軽くなったそうです。
また、以前は電話でのやり取りが中心だった浅野さんと娘さま。しかしケアエールでTさまの日々の様子や困りごとを共有するようになり、お互いの距離が縮まり、信頼関係も深まっていると感じています。
ケアエールがご利用者さまを支えるだけでなく、介護に悩むご家族の心の負担も軽くしたエピソードでした。
いかがでしたでしょうか。
これらのエピソードは、たとえ周囲から「難しい」と言われても、同じ目標に向かって支え合える仲間がいれば、諦めずに希望を実現できることを教えてくれます。
ケアエールが、そんな温かい繫がりを育み、誰もが安心して暮らせる社会をつくる一助となることを願っています。
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