Future Care Lab in Japan 通信 vol.2
この連載ではFuture Care Lab in Japan(以下FCL)という研究所について、何を目指し、どんなことをしているのかをご紹介していきます。
第2回目は『FCLの取組みについて』
FCLは「創る人・使う人の中心となり、介護現場で活躍できるテクノロジーを共創するリビングラボ」として、介護テクノロジーの評価や開発支援を基本企画・開発実証・現場実証の3つのステップに分けて行っています。
また、このベースとなる評価手法の研究や、技術研究も行っています。
基本企画
介護現場の基本的な問題や、問題解決策を検討します。国内外のテクノロジーリサーチ、介護サービスご利用者・ご家族調査、ニーズ分析、アセスメント分析などから、ありたい介護の実現にむけた問題把握と、その解決方法を検討ます。適切な解決方法がテクノロジーの活用であれば、どのようなテクノロジーを使うことが良いかを整理し、企画コンセプトを決めます。そのコンセプトを複数の介護現場と対話し、ブラッシュアップします。
開発実証
企画コンセプトが整理できたら、開発実証のステップに進みます。問題解決ができるテクノロジーをマッチングし、FCL内にある介護現場と同じ模擬環境で、ITセキュリティや機械安全の評価、センサーなどの精度検証を行います。また、オペレーションのシミュレーションを行い、実際の介護現場での実証評価方法の計画を立てます。
現場実証
FCL内の評価で、介護現場で活用できると判断したものについては、実際の介護現場(実証協力施設・事業所)でご利用者・ご家族、介護職員と一緒に現場実証評価を行います。該当のテクノロジーが介護現場で実装ができるのか、ご利用者・ご家族、介護職員や関係者にどのような効果や影響があるかを評価します。
介護現場での実証評価で導入効果があると評価したものは、社内外の介護法人へ展開していきます。
FCLの実証協力施設・事業所をフラグシップと呼んでいます。
介護現場に実装される前のテクノロジーの実証評価は、準備や実施に介護現場の協力が不可欠です。
フラグシップの1つであるラヴィーレ川崎では、2019年からこのフラグシップの取り組みをご一緒しており、約20種類もの介護テクノロジーの実証評価を行いました。ラヴィーレ川崎で働いている職員の方々の問題意識が発端となり、開発企業と共に改良し発売されたテクノロジーは、社内外の介護法人や病院で数百か所に導入され、実装されています。
※実装とは:介護現場で活用し続けられること
|ラヴィーレ川崎との取り組み事例はこちら⇒https://futurecarelab.com/cases/case01/
次回は『テック紹介 ~泡シャワー~ 』ご紹介します。